歯周病は歯の表面につくプラーク=歯垢(細菌の塊り)によっておこる「歯の周りの病気」です。歯肉の炎症による出血、腫れを特徴とする歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊される歯周炎に分けられます。日本人の場合、歯肉炎は10〜20代前半ですでに60%が罹患し、50才代でおおよそ80%が罹患しているといわれます。
 一般的にいわれる「歯槽膿漏」は、成人性歯周炎をいいますが、歯周病には、その症状、病態によっていろいろな種類があります。
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■歯肉炎:(Gingivitis)
 プラークにより歯肉に炎症が起こった状態で、原因除去で治癒しますが,放置すると骨が溶ける歯周炎に進みます。
  特殊な歯肉炎として,妊娠中に多い妊娠性歯肉炎,高血圧治療薬,てんかん治療薬を服用している人に見られる薬物性の歯肉炎などがあります。

■成人性歯周炎:(Adult Periodontitis)
 もっとも多いタイプで、30代から始まり比較的ゆっくりと進行します。
 初期にはブラッシング時の出血がある程度ですが、進行すると、歯肉が腫れ、膿がでたり歯がぐらついて抜けてしまうことがあります。早期発見が大事で、治療によりある程度回復します。慢性辺縁性歯周炎ともいいます。

■早期発症型歯周炎:(Early-Onset Periodontitis)
 まれなタイプです。成人性歯周炎と異なり、35歳未満で発症し急速に進行するのが特徴です。

■思春期前歯周炎:(Prepubertal Periodontitis)
 まれなタイプです。広汎型と限局型に分けられ、広汎型は乳歯が生えた後まもなく発症し、永久歯を支える組織が広範囲かつ急速に破壊され、最後には歯が抜けてしまいます。限局型は乳歯の一部に起こりゆっくりと進行します。遺伝的素因が強く女性に多くみられます。

■若年性歯周炎:(Juvenile Periodontitis)
 まれなタイプです。全身的には健康な10代から20代前半の若年者におこる歯周炎。
 成人性歯周炎と比較してプラークコントロールは良好ですが、エックス線所見として第一第大臼歯と前歯の骨吸収が特徴です。原因として遺伝や免疫機能低下、特殊な細菌感染などが考えられています。

■急速進行性歯周炎:(Rapidly Periodontitis)
 まれなタイプです。20代前半から30代半ばにおこる歯周炎で、歯周組織の破壊が急激で症状が急速に進行します。

■難治性歯周炎:(Refractory Periodontitis)
 あらゆる歯周治療を徹底的に行っても改善がみられず、再発してしまいなかなか治療効果が得られない歯周炎です。
 

歯周病の原因について
 歯周病の直接的な原因はプラーク(歯垢)ですが、その他さまざまな因子がかかわっています。
 プラークは、虫歯菌や歯周病菌をはじめとするさまざまな微生物のかたまりです。歯周病はそのなかの歯周病菌がひきおこす病気です。
 歯石はプラークが石灰化して硬くなったもので、歯ブラシではとれませんので、歯科医院で除去する必要があります。その他の因子としては、 喫煙(これは影響が甚大です)、糖尿病、女性の思春期・妊娠・更年期などにみられる女性ホルモンの影響、ストレス、はぎしり、鼻づまりでお口での呼吸をしているひと、やわらかくてあまいものばかりたべるとか偏食などの食生活の問題、汚れが残りやすい歯並びの悪い方などがあります。
 歯周病を予防するには、早期発見、早期治療が大事です。 かかりつけの歯科医院に少なくとも半年に一度受診されることをお勧めいたします。

歯周病の治療法について
診査を行い歯周病のタイプをつかみ,原因の除去を基本とします。

1 応急処置
 歯肉が腫れている場合の切開,排膿,かみ合わせの調整,投薬など。
2 プラーク・コントロール
 プラーク除去の大切さをお話し,口腔内の状況を把握し,患者様に合ったブラッシング法を
ご指導します。
3 スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
 歯石を除去します。プラークや歯石によって汚染された部分を除去して,歯の表面をみがきます。
7 歯周外科手術
 これまでの治療で治りきらなかった部位に対し手術を行います。 
 歯肉を切開して原因の歯石を確認し徹底的に除去します。
8 メインテナンス
  歯周病は治療が終わってからの管理が大事です。毎日のブラッシングと規則正しい生活,
歯科衛生士による定期的なクリーニングが必要です。お口の健康をいつまでも保ちましょう。